仕事や家事をしている日中と違って、同じ姿勢のままでいることの多い睡眠時間。
「起きたら腰が痛くなっていた」「寝たら楽になると思ったけれど、腰痛は一向に治らない」なんて経験がある人も多いかもしれません。
実は、症状や原因に合わせて寝る姿勢を正しくすれば、腰痛を寝ながら治すこともできるのです。
そこで今回は、腰が痛くならない寝方や、腰痛を和らげる方法について詳しく解説します。
腰痛を悪化させないために、正しい寝方を知っておこう
腰痛が悪化する、こんな寝方はNG!
仰向けやうつ伏せ、横向きなど、寝ているときの姿勢は人それぞれ。でも実は、何気なくしている毎日の寝姿勢が、腰痛を悪化させているかもしれません。
例えば、反り腰気味の人の場合、仰向けの姿勢で寝ると腰が支えられず、腰痛になりやすいとのこと。
また、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)と呼ばれる腰から足に痛みが生じるケースでは、うつ伏せ寝は症状を悪化させることも。
さらに、椎間板ヘルニアで腰痛がある人なら横向き寝はNG。腰椎がきちんと支えることができず、神経を圧迫してしまいます。
腰痛の人は寝返りをしたほうがいい?
もともと腰痛がある人の場合、寝返りが多くなると腰を痛めてしまうこともあるそうです。
疲れやストレスなどで睡眠の質が下がってしまうと、自然と寝返りする回数が多くなり、寝返りで腰を痛めてしまうことも。マットレスが体に合わなくて、寝返りが多くなっているケースもあります。
例えば体が硬い人は、マットレスが硬いとかえって腰に負担がかかることもあるのです。ただし、慢性的に腰痛がある方はマットレスが硬いほうがいいこともあるので、自分に合ったマットレスを探すことが重要です。
また、以前は大丈夫だったのに、朝起きて腰に痛みを感じるようなら、マットレスがへたってきているかもしれません。その場合には、買い替えを検討するといいでしょう。
ただし、腰痛には寝返りをしないのも問題。寝返りが少なくなると、腰回りの血流が低下してしまい、酸欠状態になってしまいます。筋肉が固まっていると寝返りを打てなくなり、腰痛になるそうなので、寝売る前に軽くストレッチをするのもおすすめです。
腰痛を治すための寝る姿勢は「背骨をまっすぐ」に
腰痛を悪化させない、腰痛を治すための寝る姿勢の基本は「背骨をまっすぐに保つこと」です。
例えば、仰向けで寝る場合、膝の下に枕を置くと背骨がまっすぐになります。また、横向きで寝る場合、膝に枕を挟むことで背骨がまっすぐ保てるので、ぜひ試してみましょう。
また、枕も首から背中がまっすぐになる高さのものを選ぶことで。寝返りをしても腰を痛めにくくなります。
腰の負担を軽減し、寝るときの姿勢を補助するタオル枕
腰痛の原因になっていることの多い寝返り。腰に負担をかけずに寝返りをするために、活躍するのが「タオル枕」です。
タオルさえあれば簡単に作れるタオル枕は、寝返りや寝姿勢を適切にサポートし、腰の負担を軽減してくれます。
タオル枕の作り方は簡単!
市販の枕を使うのもいいのですが、まずは自宅にあるバスタオルを使ってタオル枕を作ってみましょう。自分で作れば、体型に合った高さに調節できるため、腰にいい体勢をキープしやすくなりますよ。
作り方は簡単!
- バスタオルと玄関マットを用意する
- 玄関マットを3つ折りにし、その上にバスタオルを重ねて置く
これで出来上がり。作り方……とは言えないくらい簡単ですよね。
タオル枕を作る際に大切なのが「高さ」です。横向きになったときに、「頭の中心〜顎〜胸のライン」が一直線になっている高さを折りたたむ回数で調整しましょう。
仰向けに寝てみて、首や喉に圧迫感がないかをチェックし、その後左右に寝返りをしてみましょう。寝返りがしにくいと感じたら、タオルを1枚ずつめくりながら、適切な高さを探していきましょう。
腰痛を和らげる、自分に合ったマットレスで安眠を!
腰が痛い人は、マットレス選びは慎重に
もとから腰痛がある方にとっては、横になると腰が痛すぎて、寝られないなんてこともあるかもしれません。寝ていても腰が痛いという人は、特にマットレス選びには慎重になるべきです。
硬いマットレスが体にいいと言われることがあるものの、硬すぎる、超高反発のマットレスは腰に負担がかかり、腰痛が悪化するので要注意。また、反対に柔らかすぎる超低反発のマットレスもよくありません。
布団のように収納できる折りたたみタイプを選ぶなら、三つ折りタイプは避けたほうがいいでしょう。折り曲げる部分が腰に当たる場合、腰に負担がかかり、腰痛が一層悪化してしまう可能性が大です。
「高反発」「寝返りしやすい」が腰痛にいいマットレス
腰痛にいいマットレスを探すなら、「高反発」で「寝返りしやすいもの」を選ぶのが近道です。
普段痛すぎて寝られない人は、腰に負担がかからない高反発マットレスかどうか、寝具売り場で実際にチェックしてみるのがおすすめ。
また、朝起きたときに体がこわばっていたり、痛みを感じるようなら、寝返りが少ない可能性が大なので、寝返りが打ちやすい、厚みのある高反発マットレスを選ぶといいでしょう。
まとめ
ちょっとした動作もつらくなってしまう腰痛。毎日使っている寝具や普段の寝姿勢で腰痛が悪化してしまうこともあるなんて、怖いですよね。
1日の約3分の1を占める睡眠時間。今回紹介した腰に負担がかからない寝方や簡単に作れるタオル枕、マットレス選びを参考に、少しでも痛みを和らげる生活を取り戻しましょう。