背筋や腹筋が低下すると、姿勢が崩れ、腰への負担が増大。腰痛につながってしまいます。
腰痛を対症療法的に緩和するのもいいものの、根本から改善することも大切です。
そこで今回は、正しい姿勢を維持するために必要な筋肉を鍛え、腰痛を根本から改善するトレーニング法をご紹介。
ジムに行かなくてもできるので、ぜひ気軽に試してみてください。
「腹筋」と「背筋」を鍛える、気軽にできる背筋運動「対角線キープ」
上半身が安定した姿勢をキープするのに必要なのが、「腹筋」と「背筋」です。
背筋がないと背筋が曲がり、猫背になって腰に大きな負荷がかかります。
ここでは、久々に運動するという人でも気軽にできる背筋運動として、対角線キープをご紹介します。
- 四つん這いになった状態から右足と左手、左足と右手を交互に伸ばす
※「腕から背中、脚まで」が一直線になるように行う - 対角線上にある手足を伸ばしたら、背中の筋肉を意識しながら30秒キープ
- 以上を左右1セット、3回ほど繰り返す
腰まわりのシェイプアップも期待できる「ひねり腹筋」
お腹の筋力が低下すると、連動するように背筋が低下し、腰痛になりやすくなってしまいます。
腰痛予防には背筋だけでなく、腹筋もしっかりトレーニングして、バランスの良い筋力を維持したいところです。
ひねり腹筋は、側筋とお腹の真ん中の筋肉を同時に鍛えるトレーニングです。腰まわりのシェイプアップ効果も期待できるので、ぜひチャレンジしてみましょう。
方法は簡単!
- 床に仰向けに寝転がり、手を頭の後ろで組む
- 足は膝と股関節が直角になるように上げる
- そのまま肩が床から離れないように意識しながら、腰をひねって足を左右に揺らす
※このとき、足はできるだけ床に近づけるよう心がける - 左右10回を1〜3セット、難しい場合は左右5回を1〜3セット行う
仰向けになって、左右の手足を動かす「デッドバグ」
デッドバグ(死んだ虫)と呼ばれるトレーニングは、仰向けになって左右の手足をバタバタと動かすというものです。
腰をしっかりと床につけ、腰は動かないように意識しながらするのがポイントです。
- 仰向けになって手足を上に上げる
※膝は90度くらいに曲げておく - 片手を頭の上に下ろす。反対側の手は腰の横に下ろす
- この動作を左右交互に5回ほど繰り返す
- 次に、手を天井に上げたまま、足を交互に上げ下ろしをする
- この動作を交互に5回ほど繰り返す
もしもこの動作が簡単だなと感じたら、手と足を同時に動かしてみましょう。
しっかりと腹筋に力を入れて腰回りを安定させないと、バランスが崩れてしまいます。
インナーマッスルを活性化させる「逆腹式&腹式呼吸」
腹筋のなかでも一番内側にある腹横筋は「インナーマッスル」とも呼ばれ、体幹の屈曲をスムーズにする筋肉です。
腹横筋を活性化させながらゆっくり呼吸するエクササイズは、呼吸が浅くなりがちな腰痛の人にオススメのエクササイズです。
まずは、逆腹式呼吸をやってみましょう。
- うつ伏せになり、手をおでこの下に入れる
- そのままお腹をへこませながら、ゆっくりと息を吸う
- ゆっくり息を吐きながら、お腹を戻していく
逆腹式呼吸エクササイズのポイントは、息を吸いながらへこませることでお腹を床から離すのを意識するところです。
次に、そのままの姿勢で腹式呼吸をしましょう。
腹式呼吸は、息をゆっくり吸いながらお腹を目一杯膨らませる呼吸です。うつ伏せになった状態で、お腹が床に押し付けられるように行います。
腰痛の原因になる猫背も改善する、大腰筋を鍛える「スクワット」
股関節まわりのインナーマッスル「大腰筋(だいようきん)」は、膝の上げ下ろしや股関節の動きをサポートする筋肉です。
しっかりと大腰筋を鍛えておくと、体幹のブレが生じにくくなり、姿勢も矯正されます。腰痛の原因になりやすい猫背も、大腰筋を引き締めることで改善できます。
大腰筋が衰えてしまうと、骨盤がきちんと正しい位置に維持できなくなり、腰への負荷がかかる姿勢しか取れなくなってしまいます。
大腰筋はスクワットで気軽に鍛えられるので、ぜひ毎日少しずつやってみましょう。
- 肩幅よりも少し広めに足を開く
- 足先はやや外側に向け、背筋をしっかり伸ばす
- そのまま腰を落とすイメージで、膝を曲げて体をゆっくりと下げる
- 太ももが床と平行になるまで下げたら、素早く膝を伸ばして元に戻す
- 無理のない範囲で10〜20回、1〜3セット行う
ほかにも、大腰筋を鍛えるためにはウォーキングが有効です。
まっすぐと背中を伸ばして顎を引いた状態で、手を大きく振りながら大股で歩くと大腰筋が刺激されます。早く歩く必要はなく、大腰筋を伸ばすように意識しながら行いましょう。
ウォーキングは腰痛改善に効果的
まとめ
腰痛のつらさを根本から改善する筋トレは、ジムなどに行かなくても気軽にできるものばかり。
運動不足の人やデスクワークが多い人は特に、意識して筋トレを生活に取り入れることで、腰痛になりにくい体を作っていきましょう。
つらい症状には低周波治療器などを使うのも有効です。自分に合った方法で、腰痛の悩みを少しでも改善させていきましょう。