理学療法士・塩多雅矢先生
疲れない、腰のラク! 「坐骨で立つ」
イスに座るときの正しい姿勢は、こんなふうに表現できます。
「坐骨で立つ」。
これができれば、疲れないし、腰も痛くならない姿勢で座ることができます。
でも、これだけ聞いても、なんだかよくわからないですよね。
まず坐骨について説明します。
坐骨とは、お尻の下あたりにある骨です。
お尻のアンダーライン、太ももの付け根のあたりをグッと押してみると、指の先で骨に触れることができます。
この坐骨に、うまく上半身の重さがストンと乗るのが「坐骨で立った」正しい姿勢です。
まずは坐骨の位置をしっかり覚えておきましょう。
うまく位置がつかめない方は、細い棒や丸めたタオルをイスに置いて、その上に座ってみてください。
棒やタオルが坐骨に当たるとわかるので、坐骨の位置がつかみやすくなります。
坐骨に体重がかかっている感覚をつかむ
では実際にイスに座ってみましょう。
座る位置は、座面の前側半分が目安。
浅く腰掛けてください。
ポイントは、坐骨の上に乗ること。
坐骨に体重がかかっているかどうかを感覚でつかんでください。
誰かに両肩を上からグッと押してもらうと、より強い負荷がかかって、坐骨に体重が乗っているかどうかがわかりやすくなります。
上半身も足も「脱力」
上半身に力を入れて背筋を伸ばしていたり、足をグッと踏ん張っていたりする状態では、「坐骨で立つ」ことができていません。
坐骨にうまく乗れているときは、何も意識しなくても自然ときれいな姿勢になります。無理に姿勢を正そうとせずに、坐骨にだけ集中してください。
ふっと上半身を脱力したときに、体がお腹からくの字に潰れてしまうのは、「坐骨で立つ」ことができていない証拠です。
全身脱力して、足の裏と坐骨の2点にポン、ポンと重さがかかる姿勢。
それが正しい姿勢です。
「坐骨で立つ」のチェック方法
パートナーがいれば、正しい姿勢で座れているかどうか、簡単にチェックすることができます。
やり方は、胸のあたりを前から押してもらうだけ。
正しく座れていないと踏ん張ることができずに、後ろに体が倒されてしまいます。
「坐骨で立つ」ことができていれば、押されても倒れずに耐えることができます。
劇的に安定感が変わるので、きちんと座れている自信がなければ試してみてください。