痛み専門医・河合隆志先生
「コラム法」を活用してみよう
原因不明の慢性腰痛は、「脳の不調」で引き起こされている。
近年の研究では、そんな事実が明らかになってきました。
書籍『あなたの腰痛が治らないのは治し方を間違えているから』(アスコム)の中では、脳の不調を解消するための「認知行動療法」について解説しています。
簡単にいうと「腰が痛くて最悪」という認知を「腰が痛くても大丈夫」という認知に変えていくことで、痛みが和らいでいくわけですが、自分ではなかなかできないと思う人もいるかもしれません。
そこでこのページでは、本でも紹介した「コラム法」の書式を、ダウンロード版として用意しました。
プリントアウトして書き込んでいくだけで、認知を変える大きな助けになります。
本とあわせて、ぜひ活用してみてください。
「コラム法」の書き方
本で解説したコラム法の書き方を、念のためおさらいしておきましょう。
コラム① 状況
腰が痛くなった状況を書く。5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように)に則って、なるべく具体的に客観的に書いてみましょう。
コラム② 自動思考
腰が痛くなった状況で、頭の中に自然と浮かんだ考え(自動思考)を書き込みます。
「休日が台無しになった」「絶望的だ」「この痛みは一生治らない」など、その考えに対してどれくらい確信があるかを%で表してください(確信度)。このように数字で評価することは、自分の気持ちや考えを客観視する訓練になります。
コラム③ そのときの感情
コラム①の状況下で自分がどのように感じたかを書きます。例えば「不安だ」「腹立たしい」「苛立つ」などです。そして、それぞれの感情の強さを、やはり%で表します。
コラム④ 自動思考の再検討
次に、②の自動思考に対して「別の考え方はできないだろうか」ということをできるだけたくさん書き出します。「外に出られなかったけど、その分、本が読めてよかった」「腰痛より重篤な病気でなくてよかった」などです。その考えにどれくらい確信があるかを%で評価しておきます。
コラム⑤ 結果の感情
自動思考の再検討で、別の考え方をした結果、③の感情がどう変わったのかを%で評価します。