症状別の腰痛対処法TOP

腰痛の悩みは、男女問わずよくあるもの。冷やすべきか、温めるべきか迷うことはありませんか。

対処法を間違えると、腰痛が悪化してしまうことも……。実は、急に痛くなったときと普段から痛いときとでは、対処法が異なるのをご存知でしょうか。

また、ついつい放っておきがちな腰痛、病気が原因のこともあるので注意が必要です。

そこで今回は、症状別の腰痛の対処法、原因となる主な病気について説明します。

腰痛は、急性か慢性かで対処法が違うので要注意

症状別の腰痛対処法1

腰痛は、大きく「急性」「慢性」の2種類に分かれます。急性腰痛と慢性腰痛では対処が大きく異なるため、まずは自分がどちらなのかを知っておくことが大切です。

また、冷やすか温めるか、対処法を間違えると悪化することもあるので要注意。

まず、急性腰痛の特徴は無理な負荷をかけた後に痛みが出ること。いわゆる「ぎっくり腰」と呼ばれているものです。

重いものを持った後や、転びそうになって変な姿勢で身体を支えた後など、腰に負担をかけたときに痛みが出るもので、ケガの一種と言えます。腰の筋肉が炎症を起こして腫れている場合があります。

慢性腰痛の特徴は、違和感や鈍痛などが概ね3日ほど続いていること。ケガのように明らかな原因が見当たらなくても、生活のなかで継続的に腰に負担がかかっている場合になるものです。

よく分からないが鈍い痛みが続いている、最近どうも腰が重いという悩みの人は、だいたい慢性腰痛に当てはまります。

急性腰痛 無理な負荷をかけた後に痛みが出るのが特徴
慢性腰痛 違和感や鈍痛などが概ね3日ほど続くのが特徴
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症状別の腰痛対処法2

急性腰痛の場合は「冷やす」

急性の場合はケガの急性期(なりはじめの時期)と一緒で、筋肉が炎症を起こしているため、血液の流れを抑えて、炎症を抑える対処が基本となります。

  • 痛みや腫れがある部分を冷やす(アイシング)
    ※1回20分を目安に、腫れが引くまで行う。家では冷却まくらなどで応急処置をする
  • 痛みがある部分を圧迫する
  • 動かず、安静にする

生活するうえで腰を使わないことは難しいものの、できれば固定をして安静にします。

上記のように対処してみてください。腫れや痛みが引いた後は、慢性腰痛と同じ対処をすることもあります。

慢性腰痛の場合は「温める」

慢性の場合は、長時間の負荷による筋肉の緊張や、筋肉の疲弊が原因となっているため、血行を良くして、筋肉の緊張を緩和する対処が基本となります。

  • 痛みがある部分を保温する
    ※家では温湿布、ホッカイロなどを使う。長風呂もおすすめ
    ※温めることで筋肉がほぐれ、血行もよくなり、老廃物も排泄される
  • 筋肉を動かす(運動する)
    ※日ごろから筋肉を動かして、老廃物などが滞らないように心がけまる
  • 生活にストレッチを
    ※ストレッチをするだけで血流がよくなり、凝りによる痛みが軽減する

腰痛の原因は、ほかの主な4つの病気の可能性も

症状別の腰痛対処法3

実は単なる腰痛ではなく、大きな病気が原因のことがあるので、気になる場合は必ず病院での受診をおすすめします。腰痛の原因となる主な病気は、以下の4つです。

足の痛みやしびれのある腰痛「腰椎椎間板ヘルニア」

「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア」椎間板に亀裂が入って、神経組織を圧迫した状態です。多くの場合、初期に腰痛が出た後、片側の足の痛みやしびれが加わってきます。急に腰痛が出現する場合と、徐々に腰痛が起きる場合があります。

電気の走るような痛みやしびれで、咳やくしゃみで増悪(病状が悪化)するのが特徴的です。

腰や足の痛みが軽くなってから、膝折れやスリッパが脱げるなどの症状で気づくこともあるので注意です。排尿や排便の感覚が分からなくなる場合は、緊急に対処する必要があります。

お尻や足のつけ根に痛みのある腰痛「変形性腰椎症」

「変形性腰椎症」は、腰椎の加齢による変化により腰痛が起こる病気です。通常は椎間板の加齢による変化により、椎間関節や靭帯組織などにも変性が起こり、腰の痛みやだるさなどをもたらします。

主な症状は腰痛で、朝起床時などの動作開始時に強く痛み、動いているうちに軽減します。長時間の同一姿勢で痛みは増します。腰部全体に漠然と痛みを感じる場合のほか、お尻や足のつけ根まで痛みを感じる場合もあります。

特に、お尻の痛みはよく見られます。変形が進むと、外見上も体が側方に曲がったり、後ろに曲がったりし、腰痛のために長時間立つことも困難になってきます。

同じ姿勢を続ける、反らすと痛い腰痛「腰椎分離症」「分離すべり症」

腰椎の椎間板のついている前方部分と、後方の椎間関節のついている部分が離れてしまった状態「腰椎分離症」と言います。分離症のなかで、後方部分が前方にずれてくるもの「分離すべり症」と呼びます。

最も多い症状は腰痛です。青少年で、スポーツ活動での腰痛がある場合は、腰椎分離症を疑ってみることが必要です。

成人の場合は、同じ姿勢を続ける場合のほか、長時間の立ち仕事や重労働の後に痛みが強くなります。

鈍く重い痛みで、体を後ろに反らせると痛みが強くなります。また、神経根症状である足の痛みやしびれが出てくることもあります。

長時間の歩行、前屈みで痛い腰痛「腰部脊柱管狭窄症」

「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」は、腰椎内部の神経の通路である脊柱(せきちゅう)が狭くなることにより、神経組織が圧迫されて症状が出現する病気です。

特徴的な症状は「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」です。間欠性跛行とは、歩き始めは症状が軽く、しばらくすると足が痛くなったり、しびれたり、こわばったりして歩くことができなくなる状態を指します。

しゃがんだり座ったりすると症状はなくなり、また、歩いたり立ったりできるのが特徴です。

これは、構造上立っていると脊柱管が狭くなり、神経を圧迫するためで、前かがみになると脊柱管がやや広くなり、神経圧迫が解除されるため症状がなくなります。進行するに従って、連続歩行距離や時間が短くなっていきます。

まとめ

腰痛を感じたら原因を探り、冷やしたほうがいいのか、温めたほうがいいのか、見極めることが大切です。湿布も冷やすものと温めるものがあるので、用途に合わせて購入しましょう。

急性が慢性に変わっていくこともあり、また、専門的な処置が必要な疾患の可能性もあるので、まずは一度受診することも大切です。

時間が取れないときには、応急処置として自宅でできる方法を試してみるといいですね。

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