運動不足の解消にランニングを始めたのはいいけれど、「走ると腰が痛い」なんてことはありませんか?
これは、単に久々の運動だから体がついていかなかっただけではなく、もしかすると走り方などに問題があるのかもしれません。
そこで今回は、ランニングで腰痛になる、あるいは腰痛が悪化するのを防ぐ対策をご紹介します。
正しい走り方とストレッチで体のパフォーマンスを上げ、腰痛を予防しましょう。
ランニングで腰痛が改善する?それとも悪化する?
「腰痛を改善するために、ランニングを始めよう」「ランニングを始めたら、腰痛が悪化した」
どちらも、よく聞く話です。これはどちらかが嘘というのではなく、ランニングと腰痛は改善の効果がある反面、走り方次第で腰に負担をかけてしまうこともあるということなのです。
ランニングを始める前に、腰痛が改善する理由と悪化する理由をチェックしてみましょう。
ランニングで腰痛が改善する理由
走ることで腹筋や背筋が鍛えられ、腰にかかる負荷を支える力がつくのが改善の理由です。顔は正面に向け、背筋を伸ばすと腰に負担がかかりにくく、筋力も鍛えられます。
また、歩幅は小さめに。体の軸がぶれずに安定するほか、体に負担が少なくなるので、腰を痛めずに走ることができますよ。
ランニングで腰痛が悪化する理由
まず、チェックしたいのが靴。上級者向けのシューズは靴底が薄く、衝撃を吸収しないため負担が大きくなります。サイズにも注意しましょう。
うつむきがちになる猫背や、上体が反ってしまう反り腰姿勢は、膝と腰を痛める代表選手と言われています。「腰が痛いな」と思ったら、以上のポイントを見直してみましょう。
初心者でなくとも、月に200km以上走っていると、ケガや故障が出やすいとも言われています。くれぐれも、走りすぎには注意してくださいね。
走る前にやっておきたい「4つ」のストレッチ
ケガを予防する、走りやすくなる、ランニングの際の集中力を上げるなど、メリットいっぱいのウォーミングアップ。また、体がほぐれて動きやすくなることで、ダイエット効果も上がります。
おすすめは、軽いジョギングで体を温めてから、以下に紹介するストレッチ。気持ちよく安全に走るために、ぜひ習慣にしましょう。
腕の振りを軽くする「背筋」のストレッチ
左右の肩甲骨を離すように、ゆっくり伸ばしていきましょう。
- 両手を体の前で組む
- 息を吐きながら、おへそをのぞき込むように背中を丸め、膝を軽く緩める
- 息を吐ききったら、そのまま組んだ手を左右にやさしく振り、左右の背中を伸ばす
腰痛防止にマスト!「骨盤まわり」のストレッチ
腰痛持ちの人におすすめのストレッチです。回しにくいところは、念入りに行いましょう。
- 両手は腰に当て、両足を肩幅に開いて立つ
- そのまま、腰だけをゆっくりと右に回す
※上体を傾けたり、頭の位置がぶれたりしないように注意 - 1周したら左にも回す。これを5回ほど繰り返す
ケガ防止に「股関節」のストレッチ
股関節が硬いと、走るときに負担が増大。しっかりと緩めていきましょう。
- 右足で立つ
- 浮いている左足を、「内側→外側」へ向かって大きく回す
※このとき、股関節を動かす意識をする - 5周したら、反対も5周。右足も同様に行う
走りやすくなる「ハムストリングス」のストレッチ
ハムストリングスとは太ももの裏側にあり、腰痛にも関係のある部位です。ていねいに伸ばしましょう。
- 両足をクロスさせて立つ
※小指同士をつけるようにするのがコツ - 上体をゆっくりと前に倒す
- 15~30秒程度キープ
「猫背」と「反り腰」はNG!腰痛にならない正しい姿勢での走り方
腰痛の人、腰痛が起こりやすい人のランニングフォームの多くは「猫背」と「反り腰」です。
しかし、これらは習慣的なものが多く、いきなり治そうと思っても難しいもの。それぞれのタイプで意識すべきポイントを、チェックしてくださいね。
猫背の場合
胸が閉じ気味、うつむき気味で走りがちな猫背の姿勢。背中をぐっと真っすぐに保つには「目線を前方遠くにすること」「腕を後ろに振ること」を意識しましょう。
腕を後ろに振る意識をすることで、走っているうちに自然と胸が開き、上体が起きるようになります。
腰痛を招く猫背の効果的な対策
反り腰の場合
反り腰の場合は、足が腰よりも前に出て、上体が後からついてくる状態になりがち。頭の位置とおへその位置を、地面に向かって真っすぐに保つイメージで走ってみましょう。
バランスをとるために、足も自然と腰の下に戻るはず。また、あごは少し引いておくと良いでしょう。
簡単にできる「3つ」の反り腰対策
腰痛にならないためには、走った後のケアも重要
「走った後は、熱い湯船でゆったり」
実はこれ、ランニング直後はNGなんです。腰痛にならないためのケアを正しく行えば、回復も早くなって、体がラクに。ぜひ、試してみてください。
ランニング後はクールダウン
走り込んだ後、急激に運動をやめてしまうとめまいや貧血の原因に。走り終えたら止まるのではなく、そのままペースを落としながら走ってクールダウンを。
また、クールダウンの後は、ゆっくりとしたストレッチを行うのがおすすめ。疲れがとれやすくなり、筋肉痛の予防にもなります。
喉が渇いていなくても水分補給
有酸素運動の後は、代謝が上がった状態。自分で思っているよりも体内の水分は失われており、放っておくと血液がドロドロになって流れが悪くなります。
喉が渇いていなくても水分補給をしたほうが体にも良く、疲労回復も早くなりますよ。
筋肉の炎症を抑えるアイシング
筋肉の炎症を抑えることで、疲れが残りにくくなります。ふくらはぎや太ももなど、1か所あたり30秒~1分程度、冷たいシャワーや氷嚢(ひょうのう)を当てるのがおすすめです。
逆に、炎症が残った状態での入浴は控えること。回復のために筋肉に集中した血液が、血行が良くなることで全身に分散してしまいます。
炎症を起こしている腰痛にはアイシング
まとめ
ランニングをしていてもしも、「動かすと痛い」と思うほどの激しい痛みが起こったら、迷わず休んでください。
場合によっては、腰痛ベルトやコルセットを用いて腰をサポートする必要があるかもしれません。
体調に不安があるとき、痛みが強いときは無理をしないようにして、ケガのないランニングを行いましょう。