腰痛の人は、走ると痛い、歩くのも痛いというケースが多いです。そうした痛みは本当につらいもの。運動どころか、外出さえ避けてしまうのではないでしょうか。
実は、ウォーキングが腰痛の改善に効果があることは多くの研究で発表されています。歩くことを避けて運動不足に陥ると、腰痛が悪化する可能性が高まります。
そこで今回は、少しの負担で効果的に行えるウォーキングの方法をご紹介します。
毎日の習慣にして少しずつ身体を慣らしていき、腰痛の解消を目指しましょう。
ウォーキングには、医療機関の治療と同等の効果がある!
腰痛の原因はさまざま。1つの大きな原因として挙げられるのが運動不足です。
人間の身体は30代から老化していきます。そのうえ、普段から運動をしていない場合は筋肉が衰えてしまい、背骨を支えきれずに姿勢が悪くなり、腰痛が悪化してしまう傾向にあります。
さらには走ると痛い、歩くのもつらい状態になり、運動不足は加速することも。悪循環に陥りやすいのです。
この点、ウォーキングはその手軽さから、運動不足の人でも気軽に始められる運動です。
イスラエルのテルアビブ大学のサックラー医学系研究科のマイケル キャツ-ルーレル博士が行った研究では、ウォーキングは医療機関での治療と同等の治療効果を得られたという結果が出ています。
そのほか、オーストラリアのモニターによる研究でも同様の結果でした。
腰痛を解消するウォーキングは、歩き方がポイント!
運動不足の人でも、体力にあまり自身がない人でも始めやすく、腰痛に対して確かな効果が報告されているウォーキング。その手軽さが最大の魅力とはいえ、どうせ始めるなら、より効果の高い歩き方を目指しましょう。
腰痛に悩む人にとって大切なのは、ウォーキングにより筋肉に刺激を与えること。
「インターバル速歩」を提唱した信州大学院医学系研究科教授の能勢博氏によると、以下のような歩き方がおすすめです。
- ややきつく感じる早歩きを3分ほど行う
- 通常の速度の歩きを3分ほど行う
- 以上を交互に繰り返す
早歩きしている間、普段よりも強い不可がかかるため、筋肉が大きくなり、機能が向上します。このように運動不足の解消、腰痛の解消のためのウォーキングでは、意識して筋肉に不可をかけることが大切なのです。
また、「たくさん歩けば、それだけ効果があるのでは」と思いがちですが、そうではありません。ウォーキングは歩き方こそ大切。
目安としては1日8,000歩。20分間は意識して早歩きを行い、強度の運動を組み込むことが大切なのです。
また、歩き方にひと工夫加えるのもおすすめ。
以下のような手順で骨盤を意識し、その周辺の筋肉を柔軟にするウォーキングをすれば、腰痛解消の助けになります。
- 背筋を伸ばす
- ひざから前に出すイメージで歩く
- 骨盤を前へ押し出すように、かかとから踏み込む
- 骨盤はしっかり前足に乗せ、その状態で側面から見て二等辺三角形になるように後ろのひざを引き寄せる
- ひざを伸ばし、左足を前に出す
ウォーキングを続けるために押さえておきたいポイント
「ウォーキングが良いのは分かるけど、どうしても歩くと痛いので続かない」
そんな人も多いのではないでしょうか。そんな人は、以下のことを意識してウォーキングを行うようにしてください。
ウォーキングの前にストレッチを行う
腰痛対策のウォーキングでは、筋肉にある程度の負荷を与えることも必要です。しかし、歩けないほど痛くなっては続けられないので、予防としてウォーキングの前に以下のようなストレッチを行いましょう。
- 片足を後ろに折り曲げ、足首を上に持ち上げる感じで両手でつかみ、太ももを伸ばす
- 床に座って脚を伸ばし、裏側を揉みほぐす
ストレッチはウォーキングの前だけではなく、お風呂上りに行っても効果的です。
快適にウォーキングするために
足を傷めず快適にウォーキングするには、以下のポイントを踏まえましょう。
靴選び
自分のサイズ、幅に合ったシューズを選ぶこと。店員さんに相談するのも良いでしょう。
水分補給
10~15分くらいの間隔で水分補給を。普通の水で大丈夫です。
呼吸法
お腹に空気を入れるのではなく、腹筋を使って息を吐き出す呼吸を心がけましょう。一歩ごとに、息を吐くイメージです。
まとめ
ウォーキングは腰痛の解消に効果があることが、複数の大学での研究で報告されています。
運動不足の人にとって不安はあるものの、正しい歩き方で、自分のペースで初めてみてはいかがでしょうか。
また、歩き方と同時に座る姿勢も大切。普段から姿勢をサポートし、腰痛を軽減するクッションなどを利用するのもおすすめです。